3-1 住民との関係
住民との関係を築くにはとにかく村に足を運び、住民と顔を合わせることが大切です。村に訪問した際は、村長をはじめできるだけ多くの人々に挨拶をしましょう。挨拶だけで疲れることもありますが、挨拶社会のマダガスカルでは挨拶はとても大切なのです。村では用事を済ませるだけでなく、一緒に食事やコーヒーなどを飲み、村で時間を過ごしましょう。一緒に過ごす時間というのは人間関係を築く上で、とても重要といえるでしょう。
また、住民との関係で気を付けなければいけないことは「嫉妬」「恨み」です。一人の人とあまりにべったりしたり、お土産を渡したりすると、思わぬところから妬みをかったりします。他の家でも食事をしたり、話をしたりして自分のパートナーが浮かないよう配慮しましょう。
下らない話でもとにかく会話する
村人に近い生活をする
物をあげない
一緒に活動していない人にも必ず挨拶する
3-2 会議
活動を進めていくに当たり、会議は必要です。会議の日時や場所は基本的に住民に決めてもらい、行事(冠婚葬祭やサッカーの試合)のある日や定期市の日は避けましょう。場所は皆が集まれる場所を選ぶことが大切です。会議の呼びかけは代表者にさせるだけでなく、地区ごと連絡係を決めるのも手です。また、決めた時間に会議が始まることはまれです。会議の予告は予め行い(一週間くらい前)、前日に確認した方が良いでしょう。
会議の前にパートナーや代表者と会議で話す内容などを相談し、当日の内容を明確にしておきましょう。会議中は自分が中心になるのではなく、住民に支持棒を渡しましょう。住民は集中力がなかなか続かず、話が逸れていくので大事な話は早めに進めるのが作戦です。また途中で皆が話を理解しているかどうか確認することも必要です。
多くの人が集まると住民は本当のことを言わない、言えないことが往々にしてあるので、日常会話の中でも住民の意見や考えを聞くことも大切です。
会議はできるだけ自分抜きでやってもらう。同席しても自分は座っているだけで、主体は住民
まずは住民に言いたいことを言ってもらう。その後自分なりに取捨選択する
女性が意見を言わないことも多いので、話をふって意見を聞くようにしている
3-3お金
隊員の活動は資金援助を目的としたものではありません。隊員が行う資金援助はあくまでそれに伴った住民の活動を動かし、促していくためのものであるべきです。したがって資金援助は目的ではなく、活動のための手段であるといえます。しかしながら、実際の現場では協力隊の活動の本来の趣旨が理解されているところは少なく、住民が隊員に対して資金面での協力に期待をかけているのは事実です。JICAやその他援助団体の行う援助と、私たちのような草の根ボランティアの援助活動の違いが分からず、同じものだと思われ、あるいは単に日本という金持ちの国から来たということで、お金や物を与えてくれるものだと信じている人もいるようです。また、村落開発=インフラ整備と考える人も多く、住民の私たちに対するそのような気体も無理からぬことといえます。
活動に伴い資金援助する場合、大切な事はその後の彼らの活動につながっていくのか、彼らに管理、運営していく能力があるのかをしっかり見極める必要があります。お金を与えるのか与えないのかは隊員自身が決めることです。いずれのケースにせよ、活動を伴うあなたのお金に対する考え方を住民や配属先に十分理解してもらえるよう努めてください。
ここでは住民や配属先からの資金面での期待に対し、隊員がどのように対応しているのか実例を挙げます。
自分の立場を最初に説明する。それでも分かってもらえない時は調整員やJICAスタッフの力を借りる
出切ることと出来ないことを時間をかけて説明する。「(援助を)考える」なんていうと本気で期待するので言わないようにする
「正式な要請書を書いたら、自分の推薦書を添えてJICAに提出するよ。でも無理だと思うけどね」と言う
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